事業承継税制との関係

― 相続税・贈与税を実質ゼロにできる制度の本質 ―

中小企業の後継者問題を背景に創設されたのが

事業承継税制(非上場株式等の納税猶予制度)

です。

相続税・贈与税を実質的に全額猶予できる強力な制度ですが、適用要件は極めて厳格です。


1.制度の概要

非上場株式を後継者へ承継する場合、

  • 相続税または贈与税の納税を猶予
  • 一定条件継続で最終的に免除

されます。


2.対象税目

承継方法税目
相続相続税
生前贈与贈与税

3.一般措置と特例措置

現在は特例措置が中心。

区分猶予割合
一般措置80%
特例措置100%

特例措置は期限付き制度。


4.適用要件(重要)

✔ 会社が中小企業であること
✔ 非上場会社
✔ 後継者が代表者就任
✔ 雇用確保要件(一定緩和あり)
✔ 都道府県知事の認定


5.生前贈与加算との関係

事業承継税制を使うと、

  • 贈与税が猶予
  • 相続時も猶予継続

通常の精算課税とは別枠で設計。


6.メリット

✔ 株式評価額が高額でも納税不要
✔ 会社資金流出防止
✔ 事業継続安定


7.デメリット・リスク

❌ 取消要件が厳格
❌ 代表者退任で猶予取消
❌ 株式譲渡で即課税
❌ 継続届出義務


8.実務判断ポイント

確認事項判断
株価水準高額なら有効
後継者確定必須
将来売却予定あるなら慎重
雇用状況要件確認

9.活用例

自社株評価5億円
→ 相続税約2億円想定

事業承継税制適用
→ 納税猶予
→ 継続条件満たせば免除


まとめ

事業承継税制は、

節税制度ではなく「納税猶予制度」

です。

会社を売却予定なら不適切。
長期経営継続前提なら極めて有効。

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