DD結果と表明保証の切り分け
―「知っていたリスク」は誰が負うのか?
M&A契約実務で必ず問題になるのが、
DDで分かった論点を、どこまで表明保証に入れるか
という切り分けです。
本記事では、DD結果と表明保証の正しい役割分担を解説します。
1.そもそも表明保証とは?
表明保証とは、
- 売り手が事実を保証する条項
- 虚偽があれば損害賠償対象
👉 「知らなかった事実」に対する保険
2.DDと表明保証の基本的な考え方
| 区分 | 原則 |
|---|---|
| DDで未発見 | 表明保証 |
| DDで発見済 | 原則、表明保証の対象外 |
📌 理由
→ 買い手はリスクを認識したうえで買っている
3.DD結果を表明保証から外す典型例
- 財務DDで把握した偶発債務
- 税務リスクの可能性
- 労務問題の存在
👉 価格調整・条件対応が原則
4.それでも表明保証に入れるべき例外
① 事実関係が不明確なもの
- 潜在訴訟
- 税務調査リスク
② 金額が読めないもの
- 環境リスク
- 巨額否認リスク
📌 ポイント
→ 「存在しないこと」を保証させる
5.よくある実務上の失敗
| 失敗 | 問題点 |
|---|---|
| DD論点を全部保証 | 売り手が拒否 |
| 全部除外 | 買い手無防備 |
| 曖昧な表現 | 解釈争い |
6.DD結果の正しい使い分け
| DD結果 | 対応 |
|---|---|
| 定量化可能 | 価格調整 |
| 発生確率低 | 表明保証 |
| 発生確率高 | 条件付け |
| 致命的 | Deal Break |
7.実務での結論
👉 DDは「保証を減らすため」にある
- DDで見えたもの → 条件交渉
- DDでも見えないもの → 表明保証
この切り分けができるかどうかで、
M&Aの成否は大きく変わります。