納税資金対策の設計
― 相続税は“払えるかどうか”が最大の論点 ―
相続税対策というと、
- 節税
- 評価引下げ
に目が向きがちです。
しかし実務で最も重要なのは、
納税資金を確保できるか
です。
不動産中心の相続では、
- 税額は高額
- 現金は少額
というケースが典型です。
1.納税資金不足が起こる理由
✔ 地価上昇
✔ 自社株評価上昇
✔ 収益不動産中心
✔ 流動資産不足
2.納税資金対策の基本戦略
① 生命保険の活用
死亡保険金は、
- 速やかに受け取れる
- 納税資金として最適
さらに、
500万円×法定相続人の非課税枠
があります。
② 収益不動産の活用
キャッシュフローで納税原資確保。
ただし空室リスクあり。
③ 計画的売却
相続発生前に、
- 一部不動産売却
- 共有整理
を行う。
④ 生前贈与活用
- 暦年贈与
- 精算課税
を組み合わせて総額圧縮。
⑤ 借入活用
金融機関からの融資で納税。
利息負担との比較検討が必要。
3.二次相続まで含めた設計
一次相続で配偶者軽減を最大限使うと、
- 二次相続で高額税負担
となる可能性。
納税資金対策は、
二次相続まで含めて設計
が必須です。
4.自社株の場合
自社株は流動性が低い。
✔ 事業承継税制
✔ 会社からの配当
✔ 自己株取得
などの検討が必要。
5.典型的な設計例
相続財産5億円
現金1,000万円
相続税1億円
→ 生命保険8,000万円
→ 一部不動産売却2,000万円
→ 納税資金確保
6.実務チェックリスト
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 税額予測 | 概算シミュレーション |
| 現金残高 | 流動性確認 |
| 不動産売却可能性 | 市場性 |
| 保険加入状況 | 保障額 |
| 二次相続想定 | 必須 |
まとめ
納税資金対策は、
節税よりも優先順位が高い
場合があります。
相続税は「計算問題」ではなく、
キャッシュフロー問題
です。
事前設計こそが最大のリスク回避策となります。