監査法人・税務署が「後から必ず突っ込む」M&A論点集
M&Aが終わった直後は、
「無事クロージングできた」という安心感に包まれます。
しかしその数か月〜数年後、
必ずやってくるのがこの2者です。
- 監査法人
- 税務署
彼らが見るのは、
「そのスキームは本当に合理的だったのか?」
という一点です。
1.【会計】監査法人が必ず見る論点
論点①:スキーム選択の合理性
- なぜ株式譲渡なのか
- なぜ事業譲渡ではないのか
👉 「税務が楽だから」では通りません。
論点②:のれんの金額が不自然でないか
- 将来CFと整合しているか
- 初年度から過度に楽観的でないか
👉 減損の地雷ポイントです。
論点③:段階取得の取得価額配分
- 追加取得時の評価根拠
- のれん増加の妥当性
2.【税務】税務署が狙うポイント
論点④:実質的に事業譲渡では?
- 株式譲渡だが中身は事業移転
- 人・資産・契約が丸ごと移動
👉 行為計算否認リスクに直結します。
論点⑤:のれんを使った節税になっていないか
- 不自然な価格配分
- 償却可能資産への寄せすぎ
論点⑥:対価の性質は本当に対価か
- 役員報酬や退職金の仮装
- 競業避止義務への過大対価
3.共通して突っ込まれる「危険サイン」
| 危険サイン | なぜ狙われるか |
|---|---|
| 説明資料が残っていない | 後付けと判断される |
| 検討過程が口頭のみ | 客観性がない |
| 他のスキーム検討がない | 恣意的と見られる |
| 数字が綺麗すぎる | 操作を疑われる |
4.実務での最大防御策
最も有効なのはこれです。
「なぜこのスキームなのか」を一貫して説明できること
- 会計
- 税務
- 経営判断
が 1つのストーリーになっていれば、
監査法人も税務署も過度に踏み込みません。
5.まとめ:突っ込まれないM&Aは存在しない
重要なのは、
突っ込まれても耐えられるかどうかです。
- 考えた痕跡があるか
- 他の選択肢を排除した理由があるか
- 将来リスクを認識していたか
これらが揃っていれば、
M&Aは「問題」ではなく「説明」で終わります。