株式譲渡方式は本当に有利なのか
M&Aの実務では、株式譲渡方式は「シンプルで、しかも税務上有利」と説明されることがあります。もっとも、実際にはその理解だけでは不十分です。売り手側の税負担だけでなく、買い手側の税務メリット、簿外債務リスク、相続対策、役員退職慰労金の活用可能性まで含めて検討すると、事業譲渡方式のほうが有利になる場面も少なくありません。
ここでは、株式譲渡方式と事業譲渡方式を、被買収会社側・買収会社側の双方から比較しながら、初心者にも分かりやすく実務寄りに整理します。
最初に押さえたい結論
| 比較項目 | 株式譲渡方式 | 事業譲渡方式 | 実務上の見方 |
|---|---|---|---|
| 被買収会社の含み益課税 | 原則として直ちに顕在化しない | 譲渡時に顕在化しやすい | 売り手法人だけ見ると株式譲渡が有利に見えやすい |
| 買収会社の将来の税務メリット | 資産の簿価引継ぎになりやすい | 時価ベースで取得しやすい | 買い手は事業譲渡を好むことが多い |
| 簿外債務リスク | 引き継ぎやすい | 引き継ぐ対象を絞りやすい | 中小企業M&Aでは事業譲渡の強みが大きい |
| 許認可・契約の承継 | そのまま維持しやすい | 再取得・再契約が必要になりやすい | 業種によっては株式譲渡が有利 |
| 不動産取得税・登録免許税 | 通常は重くなりにくい | 不動産移転があれば生じる | 不動産保有会社では要注意 |
| 総合判断 | 形式的には簡便 | リスク遮断と買い手メリットが大きい | 中小・零細企業では事業譲渡が現実的なことが多い |
実務コメント
「税率が低いから有利」という見方だけでは、M&Aの意思決定を誤りやすくなります。実際の交渉では、買い手が受ける将来の節税メリットや、簿外債務をどこまで遮断できるかが、最終的な価格に反映されるからです。
論点整理:なぜ株式譲渡が有利と言われるのか
株式譲渡方式が有利と言われる理由は、概ね次の3点に整理できます。
- 被買収会社が保有する資産に含み益があっても、株式譲渡ではその含み益が直ちに実現しないため、被買収会社で法人税等が発生しにくいこと
- オーナー株主が受け取る対価が、配当ではなく株式の譲渡所得として整理されやすく、税率面で有利に見えること
- 役員退職慰労金を活用することで、被買収会社側の課税所得を圧縮できる可能性があること
もっとも、これらはあくまで一面的な理解です。実務では、買い手側の税務不利益や、売り手側の資金ニーズ、相続対策、再投資の予定、許認可の性質などによって、結論が変わります。
被買収会社側から見た比較
株式譲渡方式では、被買収会社に直ちに課税が生じにくい
株式譲渡では、売買の対象はあくまで「会社の株式」です。会社そのものが資産を売却するわけではないため、被買収会社の内部にある土地、建物、営業権、在庫などの含み益は、その時点では通常実現しません。そのため、被買収会社において法人税、地方法人税、住民税、事業税の負担が直ちに発生しない、というのが典型的なメリットです。
| 項目 | 株式譲渡方式 | 事業譲渡方式 |
|---|---|---|
| 売買対象 | 株主が保有する株式 | 会社が保有する事業用資産・負債等 |
| 含み益の顕在化 | 通常はしない | しやすい |
| 被買収会社の法人税等 | 原則として発生しにくい | 発生しやすい |
ポイント
株式譲渡で税金が軽いのは、「会社の中の資産を売っていないから」です。会社がそのまま残り、株主だけが入れ替わるためです。
事業譲渡方式では、被買収会社に譲渡益課税が生じる
事業譲渡では、被買収会社が事業用資産や営業権等を譲渡するため、その譲渡益に対して法人税等が課されます。たとえば、事業譲渡益が6,000百万円生じ、実効税率を30%と仮定すると、税負担は概算で1,800百万円となります。
| 前提例 | 金額 |
|---|---|
| 事業譲渡益 | 6,000百万円 |
| 実効税率 | 30% |
| 法人税等負担の概算 | 1,800百万円 |
この数字だけを見ると、被買収会社側では株式譲渡のほうが明らかに有利に思えます。しかし、ここで議論を止めると、実務判断を誤りやすくなります。
売り手株主の税金は、税率だけでは比較できない
株式譲渡方式では、オーナー株主が受け取る対価は通常、株式の譲渡対価です。そのため、個人株主であれば、原則として申告分離課税の譲渡所得として課税されます。一方、事業譲渡方式では、事業譲渡後に会社から株主へ資金を移す局面で、解散・清算や配当が絡み、みなし配当や譲渡所得の問題が生じます。
ただし、ここで重要なのは、税率の高低だけではなく、課税対象となる利益の大きさそのものが異なるという点です。株式譲渡では株式の取得費が低い一方、事業譲渡では会社内部の利益剰余金相当額が譲渡原価や清算段階の計算に影響するため、最終税額だけ見ると、想像ほど大差が出ないことがあります。
| 比較視点 | 株式譲渡方式 | 事業譲渡方式 |
|---|---|---|
| 表面的な税率 | 低く見えやすい | 高く見えやすい |
| 利益計算のベース | 株式の取得費ベース | 会社内部の純資産・利益剰余金の影響を受ける |
| 最終税額 | 必ずしも圧倒的に低いとは限らない | 条件次第では差が縮まる |
実務コメント
「譲渡所得の税率は低いから株式譲渡が有利」と単純化してしまうのは危険です。税額は、税率だけでなく、何に対して課税されるのかで大きく変わります。
相続対策や再投資の観点では、事業譲渡が有利になることもある
株式譲渡が常に望ましいとは言えない理由として、まず相続対策があります。非上場株式は、状況によっては純資産価額方式よりも類似業種比準方式や併用方式により相続税評価額が抑えられることがあり、現金預金よりも相続税評価上有利に働く場合があります。さらに、一定の要件を満たせば、非上場株式には法人版事業承継税制の適用可能性もあります。
逆にいえば、オーナー個人に多額の現金を移してしまうと、相続税対策としては不利になる場面があります。そのため、「売り手個人にお金を渡すこと自体が本当に合理的なのか」を先に検討する必要があります。
また、ベンチャー企業などでは、売却代金を会社内に残して新規事業へ再投資したいというニーズもあります。その場合、株主個人に対価を渡す株式譲渡よりも、会社に対価が入る事業譲渡や会社分割のほうが、経済合理性に合致することがあります。
| 事情 | 望ましい方向性 | 理由 |
|---|---|---|
| 相続税評価を抑えたい | 株式を残す選択肢も有力 | 非上場株式の評価が現金より低くなることがある |
| 事業承継税制を視野に入れる | 株式保有の継続が前提になることが多い | 現金預金には適用できない |
| 売却代金を会社で再投資したい | 事業譲渡が適することがある | 会社に資金を残しやすい |
買収会社側から見た比較
事業譲渡方式には、買い手にとって将来の税務メリットがある
事業譲渡方式では、取得する資産や営業権等を個別に把握できるため、時価ベースで取得価額を積み上げやすくなります。その結果、減価償却資産であれば将来の減価償却費として費用化され、土地等であれば将来売却時の譲渡益圧縮につながることがあります。
また、一定の事業譲受け等においては、税務上の資産調整勘定が問題になることがあります。これは、取得対価と引き継ぐ純資産価額との差額が、税務上の将来費用化に結びつく可能性がある論点であり、買い手にとっては価格交渉上きわめて重要です。
| 買い手の視点 | 株式譲渡方式 | 事業譲渡方式 |
|---|---|---|
| 資産の取得価額 | 会社内部の簿価が維持されやすい | 時価反映がしやすい |
| 将来の減価償却 | 限定的 | 増えることがある |
| 将来の譲渡益圧縮 | しにくい | しやすい |
| 価格交渉への影響 | 買い手は慎重になりやすい | 節税メリットを価格に反映しやすい |
買い手の本音
買い手は、取得後にどれだけ税務上の回収ができるかを見ています。したがって、売り手が株式譲渡を希望しても、買い手がその不利益分を価格から差し引くことは珍しくありません。
含み益の原因が土地である場合、株式譲渡は買い手に不利になることがある
たとえば、被買収会社が帳簿価額500百万円、時価3,000百万円の土地を保有していたとします。この会社を株式譲渡で取得すると、会社内部の土地簿価は500百万円のままです。その後、その土地を5,000百万円で売却した場合、会社内部では4,500百万円の譲渡益が発生します。
一方、事業譲渡で土地を時価3,000百万円で取得していれば、その後5,000百万円で売却した際の譲渡益は2,000百万円で済みます。つまり、株式譲渡では過去の含み益まで抱え込むことになり、買い手にとって不利になるわけです。
| 前提 | 株式譲渡後に売却 | 事業譲渡で取得後に売却 |
|---|---|---|
| 土地帳簿価額 | 500百万円 | 3,000百万円 |
| 土地売却価額 | 5,000百万円 | 5,000百万円 |
| 譲渡益 | 4,500百万円 | 2,000百万円 |
中小企業M&Aでは、簿外債務リスクの遮断が極めて重要
株式譲渡方式では、会社そのものを取得するため、帳簿に載っていない債務や偶発債務も原則としてそのまま抱え込みます。未払残業代、過去のハラスメントに基づく損害賠償、税務リスク、未払社会保険料、回収不能な売掛金など、見えないリスクが後から顕在化することがあります。
これに対し、事業譲渡方式では、引き継ぐ資産・負債を契約で絞り込みやすいため、必要なものだけを取得し、不要なリスクを残す設計が可能です。中小企業や零細企業のM&Aでは、十分なデューデリジェンスを行うコストが見合わないことも多く、こうした切り分けのメリットは非常に大きくなります。
| リスク項目 | 株式譲渡方式 | 事業譲渡方式 |
|---|---|---|
| 簿外債務 | 引き継ぐ可能性が高い | 原則として遮断しやすい |
| 売掛金の回収不能リスク | 抱え込みやすい | 対象外にできる |
| 過去の労務債務 | 問題化しやすい | 整理しやすい |
| 税務リスク | DDが重要 | 原則として承継しにくい |
実務コメント
中小企業のM&Aでは、「表明保証を入れておけば大丈夫」という発想は危険です。売り手に十分な資力がなければ、後から請求できても実際には回収できないことがあるからです。
零細企業のM&Aではどう考えるか
オーナーに資金を移したいなら、退職慰労金の活用が選択肢になる
零細企業のM&Aでは、事業への再投資も予定しておらず、相続税対策として会社を残す必要もないことがあります。そのような場合には、事業譲渡を行ったうえで、オーナーに役員退職慰労金を支給する方法が検討されます。
この方法では、事業譲渡益と退職慰労金を同一事業年度に計上できれば、被買収会社における課税所得を圧縮できる可能性があります。法人税だけでなく住民税・事業税も考慮すると、同一事業年度でぶつける設計が実務上重要です。
解散後に清算人として従事していても、退職給与に該当し得る
実務上よく問題になるのが、会社を解散した後、旧代表者が清算人として清算事務に従事する場合に、退職慰労金を退職給与として扱えるのかという点です。この点については、所得税基本通達30-2(6)において、法人が解散した場合に引き続き役員又は使用人として清算事務に従事する者に対し、その解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与は、退職手当等として取り扱うことが示されています。
また、国税庁の質疑応答事例「解散後引き続き役員として清算事務に従事する者に支給する退職給与」でも、法人税法上も退職給与として取り扱うことが相当とされています。
| 論点 | 取扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 解散後に清算事務へ従事する役員への支給 | 一定の場合、退職手当等に該当 | 所得税基本通達30-2(6)、国税庁質疑応答事例 |
ポイント
解散後も会社に関与しているからといって、必ず退職金が否認されるわけではありません。問題は、解散前の勤続期間に対応する退職給与として整理できるかどうかです。
欠損金の繰戻し還付も視野に入る
役員退職慰労金の支給により赤字が生じた場合、一定の要件のもとで欠損金の繰戻しによる還付を受けられることがあります。これは法人税法80条に基づく制度で、国税庁のタックスアンサーでも案内されています。
もっとも、この制度は主として法人税・地方法人税に関係するものであり、住民税や事業税には同様の仕組みがありません。そのため、実務上は法人税だけでなく地方税も含めた着地を見ながらスケジュールを設計する必要があります。
債務超過会社の買収では、事業譲渡が現実的になりやすい
解散法人の期限切れ欠損金を使える場合がある
被買収会社が債務超過である場合には、事業譲渡益や債務免除益に対して、繰越欠損金やいわゆる期限切れ欠損金をぶつけられることがあります。法人税法59条4項は、解散した法人について、残余財産がないと見込まれるときは、その清算中に終了する事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額を基礎として計算した金額を損金算入できる旨を定めています。
国税庁の質疑応答事例でも、解散法人で残余財産がないと見込まれる場合の取扱いが示されています。実務では、別表五(一)の利益積立金額等を踏まえて特例欠損金の把握を行います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度 | 解散法人の期限切れ欠損金の損金算入 |
| 主な要件 | 残余財産がないと見込まれること |
| 根拠 | 法人税法59条4項 |
ただし、欠損金狙いの株式取得は慎重に考えるべき
債務超過会社に多額の繰越欠損金があると、株式譲渡でその会社ごと取得し、将来の節税に使いたいと考えることがあります。しかし、実務では債務超過会社ほど簿外債務や偶発債務を抱えていることが多く、欠損金の節税効果よりリスクのほうが大きくなりやすい点に注意が必要です。
このため、債務超過会社のM&Aでは、必要な事業だけを切り出して取得する事業譲渡方式のほうが現実的であることが多いと考えられます。
株式譲渡方式が有利になるケースもある
許認可・免許・契約関係を維持したい場合
株式譲渡方式では、法人格そのものは変わらないため、被買収会社が保有する許認可、免許、契約関係をそのまま維持しやすいという利点があります。事業譲渡では、契約の再締結や個別承諾、許認可の再取得が必要となることが多く、手続負担が大きくなります。
もっとも、業種によっては、事前に監督官庁や取引先と調整しておくことで、事業譲渡でも比較的スムーズに切り替えられることがあります。したがって、許認可があるから即株式譲渡一択、とは限りません。
不動産取得税・登録免許税の負担が大きい場合
事業譲渡で不動産を移転すると、不動産取得税や登録免許税が発生します。したがって、不動産保有額が大きい会社、たとえば不動産賃貸業、旅館、ホテル、ゴルフ場などでは、税コストが重く、株式譲渡のほうが有利になることがあります。
| 業種・事情 | 株式譲渡が有利になりやすい理由 |
|---|---|
| 不動産賃貸業 | 不動産移転税負担を回避しやすい |
| ホテル・旅館 | 不動産・許認可・契約の一体承継が重要 |
| ゴルフ場 | 資産規模が大きく移転コストが重い |
事業譲渡で見落としやすい法務・税務の注意点
事業譲渡でも、完全にノーリスクではない
事業譲渡はリスクを切り分けやすい手法ですが、まったく無関係になるわけではありません。たとえば、会社法23条の2は、譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡した場合に、一定の範囲で譲受会社に責任が及ぶ可能性を定めています。いわゆる詐害事業譲渡の問題です。
また、譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、会社法22条の商号続用責任も論点になります。したがって、単に「事業譲渡だから債務は引き継がない」と理解するだけでは足りず、契約設計や周辺手続まで含めて検討が必要です。
| 注意点 | 概要 | 主な根拠 |
|---|---|---|
| 詐害事業譲渡 | 残存債権者を害する目的・認識がある場合の責任問題 | 会社法23条の2 |
| 商号続用責任 | 譲渡会社の商号を続用した場合の債務弁済責任 | 会社法22条 |
売掛金・労働債務・退職給付債務は、引継対象を明確にする
中小企業M&Aでは、売掛金を引き継がず、譲渡会社側で回収させる設計が有効なことがあります。これにより、回収不能リスクや残高誤りのリスクを遮断しやすくなります。労働債務についても、未払賃金、未払残業代、退職給付債務などは、できる限り事前に整理し、必要に応じて清算してから引き継ぐかどうかを判断すべきです。
- 売掛金は、回収不能・残高相違のリスクがあるため、あえて引き継がない設計が合理的なことがある
- 未払残業代や過去の労務紛争は、買い手にとって想定外の大きな負担になりやすい
- 退職給付債務は、制度設計の見直しも含めて個別検討が必要
実務コメント
事業譲渡では、「必要な事業だけを買う」ことが大切です。全部をまとめて引き継ぐ発想では、事業譲渡のメリットが薄れてしまいます。
実務上の総合判断
中小企業・零細企業では、事業譲渡が有力になりやすい
中小企業や零細企業では、デューデリジェンスに十分なコストをかけにくく、また、売り手に表明保証違反時の賠償資力がないことも少なくありません。そのため、簿外債務リスクを抱え込みやすい株式譲渡より、引継対象を限定できる事業譲渡のほうが現実的な選択になることが多いといえます。
買収価格の検討においても、DCF法のような評価だけでなく、時価純資産に営業権として数年分の利益を加算して価格を決める実務もよく見られます。この場合でも、買い手が将来何年で投資回収できるかという視点が重要であり、事業譲渡で不要な資産・負債を外せる点は大きな意味を持ちます。
一方で、大規模案件や許認可重視案件では株式譲渡も有力
被買収会社が大規模で、デューデリジェンスが十分に可能であり、かつ許認可・契約・人的関係の承継を一体で行う必要がある場合には、株式譲渡方式のほうが合理的なことがあります。また、不動産取得税や登録免許税の負担が重い場合も、株式譲渡を選ぶ理由になります。
まとめ
株式譲渡方式は、被買収会社の含み益課税を直ちに生じさせず、オーナー株主において譲渡所得課税を受けやすいという意味では、たしかに有利に見える場面があります。しかし、買収会社側では、資産の時価取得や将来の費用化というメリットを得にくく、さらに簿外債務や偶発債務を抱え込みやすいという問題があります。
そのため、M&Aを税率だけで判断するのではなく、次のような観点を必ずセットで検討すべきです。
- 売り手個人に資金を移す必要が本当にあるのか
- 相続対策や事業承継税制との関係はどうか
- 会社内に資金を残して再投資したいのか
- 買い手がどの程度、簿外債務リスクを負えるのか
- 不動産取得税・登録免許税の負担は重いか
- 許認可・契約・従業員承継の実務に支障はないか
最終的には、「売り手だけ」「買い手だけ」ではなく、取引全体で最も合理的な形はどれかという視点で判断することが重要です。特に中小企業・零細企業のM&Aでは、税務上の表面利得よりも、リスク遮断と実行可能性を重視して事業譲渡方式が選ばれる場面が多いといえるでしょう。
根拠法令・公表資料
- 所得税基本通達30-2(6)(解散後に清算事務へ従事する者への退職手当等)
- 国税庁 質疑応答事例「解散後引き続き役員として清算事務に従事する者に支給する退職給与」
- 法人税法59条4項(解散した場合の期限切れ欠損金の損金算入)
- 国税庁 質疑応答事例「解散法人の残余財産がないと見込まれる場合の損金算入制度」
- 法人税法80条(欠損金の繰戻しによる還付)
- 国税庁 タックスアンサー No.5763「欠損金の繰戻しによる還付」
- 会社法22条(商号続用責任)
- 会社法23条の2(詐害事業譲渡に係る責任)
- 国税庁 タックスアンサー No.7191「登録免許税の税額表」
- 国税庁「法人版事業承継税制」・タックスアンサー No.4148