新設法人が消費税について留意すべき重要ポイント
設立すると必ず免税事業者になるのか?
■質問
当社は事業拡大のため子会社を設立予定です。
新設法人でも
消費税の課税事業者になる場合があると聞きました。
👉 どのような点に注意すればよいでしょうか。
■この事例の論点
✔ 新設法人は原則免税
✔ しかし免税制度が制限されるケースがある
✔ 設立初年度から課税事業者になる可能性
👉 =設立時の資本金・資産取得・株主構成が極めて重要
■結論
新設法人は通常免税ですが
次のケースでは
👉 設立1期目から課税事業者になります。
- 資本金1,000万円以上
- 調整対象固定資産を取得(※)
- 特定新規設立法人に該当
(消費税法9条
消費税法12条の2
消費税法12条の3)
※建物や機械などのうち、税抜の購入価格が100万円以上の高額な固定資産を指します。
■① 事業者免税点制度の基本
消費税では
👉 基準期間の課税売上高1,000万円以下なら免税
(消費税法9条1項)
しかし
新設法人は
👉 基準期間が存在しない
→ 原則免税
■② 免税制度が制限されるケース
【ケース①】資本金1,000万円以上
| 判定 | 内容 |
|---|---|
| 設立時資本金 | 1,000万円以上 |
| 結果 | 設立1期目から課税事業者 |
(消費税法12条の2)
実務ポイント
- 節税目的で資本金999万円が多い
- 資本金は設立日現在で判定
【ケース②】調整対象固定資産を取得
👉 設立後に
- 建物
- 機械設備
- 船舶
- 車両
- 工具器具備品
などを取得した場合
| 判定 | 内容 |
|---|---|
| 調整対象固定資産取得 | 課税事業者 |
| 期間 | 取得期〜3年間 |
(消費税法12条の2②)
実務上超重要
👉 還付スキーム防止規定
- 大型設備投資
- 不動産購入
でよく該当
【ケース③】特定新規設立法人
次の条件を満たす法人
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 大法人が50%超出資 | |
| その大法人の売上5億円超 |
👉 この場合
設立1期目から課税事業者
(消費税法12条の3)
イメージ
親会社(売上5億超)
↓50%超出資
新設子会社
→ 強制課税
■課税事業者判定の流れ(まとめ)
| 判定項目 | 結果 |
|---|---|
| 資本金1,000万円以上 | 課税 |
| 調整対象固定資産取得 | 課税 |
| 特定新設法人 | 課税 |
| どれも該当なし | 原則免税 |
■期別の取扱い(例)
資本金1,000万円の場合
| 期 | 課税区分 |
|---|---|
| 設立1期 | 課税 |
| 2期 | 課税 |
| 3期 | 売上基準で判定 |
固定資産取得の場合
| 期 | 課税区分 |
|---|---|
| 取得期 | 課税 |
| 2期 | 課税 |
| 3期 | 課税 |
| 4期 | 売上基準 |
■実務上の超重要論点
✔ 設立時の資本金設計
✔ 設備投資タイミング
✔ グループ会社出資比率
✔ 消費税還付計画
👉 設立前に税務設計が必須
■まとめ
✅ 新設法人=必ず免税ではない
✅ 資本金・資産取得・株主構成が重要
✅ 設立1期目から課税になるケース多数
✅ 消費税は設立前に必ず検討