希薄化EPSの計算を具体例で完全理解
― 新株予約権・転換社債がEPSに与える影響 ―
はじめに|希薄化EPSは「将来の姿」を示す指標
希薄化EPSは、
- 計算が難しそう
- 実務で後回しにされがち
ですが、投資家・IPO審査で必ず見られる指標です。
1.希薄化EPSとは何か
1-1 基本EPSとの違い
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 基本EPS | 現在の株主ベース |
| 希薄化EPS | 潜在株式を考慮 |
1-2 潜在株式とは
| 例 |
|---|
| 新株予約権 |
| ストックオプション |
| 転換社債 |
2.希薄化EPSの基本的な考え方
すべて行使・転換されたと仮定してEPSを計算
これが原則です。
3.新株予約権の具体例(最頻出)
3-1 前提
- 当期純利益:1,000
- 期中平均株式数:1,000株
- 新株予約権:100株分
- 行使価格:500
- 期中平均株価:1,000
3-2 計算の流れ(トレジャリーストック法)
| 内容 | 数 |
|---|---|
| 発行株式数 | 100 |
| 行使による資金 | 50,000 |
| 自己株式取得可能株数 | 50 |
| 純増株数 | 50 |
3-3 希薄化EPS
希薄化EPS = 1,000 ÷ (1,000 + 50)
= 約0.95
👉 基本EPS(1.00)より低下
4.希薄化しない潜在株式
| ケース | 扱い |
|---|---|
| 行使価格>株価 | 希薄化しない |
| 当期純損失 | 希薄化EPS算定不要 |
5.実務での注意点
| 注意点 |
|---|
| 潜在株式の把握漏れ |
| 行使条件の見落とし |
| 株価算定根拠の不明確 |
おわりに|希薄化EPSは「最悪ケース」のEPS
希薄化EPSは、
株主にとって最も不利な前提でのEPS
です。
この考え方を押さえれば、
計算の意味が一気に分かります。