付加価値割の詳細計算
― 実務で間違えやすい論点を完全整理 ―
付加価値割は外形標準課税の中核。
しかし、
- 何を含める?
- 何を除外?
- どこまで入れる?
で混乱します。
1. 付加価値額の基本式
付加価値額
= 報酬給与額
+ 純支払利子
+ 純支払賃借料
+ 単年度損益
税率:1.2%
2. 各構成要素の詳細
① 報酬給与額
対象:
- 給与
- 賞与
- 役員報酬
- 退職金
含む。
注意:
✔ 出向者負担金
✔ 役員退職慰労金
実務で漏れやすい。
② 純支払利子
支払利子 − 受取利子
注意:
✔ 社債利息
✔ グループ内借入
③ 純支払賃借料
賃借料 − 受取賃貸料
注意:
✔ リース料
✔ サブリース収入控除
④ 単年度損益
税引前利益ベース
赤字ならマイナス。
3. 計算例
人件費 2億
支払利子 2,000万
受取利子 500万
賃借料 8,000万
受取賃料 1,000万
利益 1億
純支払利子 = 1,500万
純支払賃借料 = 7,000万
付加価値額:
2億
+ 1,500万
+ 7,000万
+ 1億
= 3億8,500万
税額:
3.85億 × 1.2%
= 462万円
4. よくある誤り
| 誤り | 実務影響 |
|---|---|
| 人件費のみで計算 | 過少申告 |
| 利子を総額で入れる | 誤計算 |
| 受取賃料を控除しない | 過大計算 |
5. 付加価値割が重い業種
- 人材派遣
- 小売
- 不動産賃貸
- IT受託開発
理由:
人件費比率が高い
6. 付加価値割対策
✔ 業務委託化
✔ 借入圧縮
✔ 賃借料構造見直し
✔ グループ再編
まとめ
M&A時の注意
外形標準は
「規模課税」
規模が増えれば必ず増えます。
付加価値割の本質
「企業活動のボリューム税」
利益とは別物。