【海外からゲームソフト配信を受けると消費税が発生する理由】

~電気通信利用役務の提供・特定課税仕入・リバースチャージを実務的に解説~


◆質問(事例)

当社は日本国内でゲームソフトを販売する会社です。
米国のA社との間で、当社が事業で利用する目的として、世界的に人気のあるキャラクターのゲームソフトの配信をインターネット経由で受ける契約を締結しました。

このように、海外事業者からインターネットを通じて役務(ゲームソフト配信)の提供を受ける場合には、
役務の提供を受ける当社が消費税の納税義務者になると聞きました。

しかし、通常はサービス提供者が消費税を納めるはずなのに、
なぜ今回は「サービスを受ける側」である当社が納税する必要があるのでしょうか。
その仕組みや法的根拠、実務上の処理方法について教えてください。


◆論点整理

この事例の重要論点は次の4点です。

論点内容
① 電気通信利用役務の提供とは何かインターネット経由サービスの消費税の考え方
② 内外判定基準の変更平成27年改正の影響
③ 特定課税仕入とは何か海外サービス購入時の課税関係
④ リバースチャージ方式なぜ受け手が納税するのか

第1章 なぜ海外ゲーム配信で消費税がかかるのか(制度の全体像)

結論から言うと、

👉 海外事業者からインターネット経由でソフト配信を受ける場合
「電気通信利用役務の提供」 に該当
「特定課税仕入」扱い
受け手が消費税を申告納税(リバースチャージ)

となります。


第2章 平成27年度改正のポイント(最重要)

■改正前

項目内容
課税対象国内で行われた資産譲渡・役務提供
納税義務者サービス提供者
内外判定役務が行われた場所

つまり、

👉 海外サーバーから配信
→ 国外取引
→ 消費税なし

という状態でした。


■問題点(競争の歪み)

国内事業者海外事業者
消費税課税消費税なし
価格不利価格有利

このため制度改正が行われました。


第3章 電気通信利用役務の提供とは

【条文根拠】

👉 消費税法2条1項8号の3

インターネット等の電気通信回線を介して行われる著作物の提供等


■該当例(重要)

具体例該当性
電子書籍配信
音楽配信
動画配信
ゲーム配信◎本事例
クラウドサービス
広告配信
ECサイト利用料
オンライン英会話

つまり

👉 「データをネットで送るサービス」はほぼ該当


第4章 内外判定基準の変更(超重要)

改正後ルール

役務の種類判定基準
電気通信利用役務役務を受ける者の住所地
それ以外役務提供地

条文

👉 消費税法4条3項3号


本事例

項目内容
配信会社米国
利用会社日本
判定国内取引

👉 よって課税対象


第5章 特定課税仕入とは

条文

👉 消費税法5条1項

事業者は特定課税仕入について納税義務を負う


■定義

項目内容
特定課税仕入海外事業者から受ける事業者向け電気通信役務

本事例

項目判定
受け手事業者
用途事業用
結論特定課税仕入

第6章 リバースチャージ方式とは

通常

👉 売った人が税金払う

しかし海外企業に課税できないため

👉 買った側が払う制度


■仕組み

流れ内容
海外会社税金払わない
日本会社申告納税
同時に仕入税額控除可能

■仕訳イメージ

購入時

借方貸方
ソフト利用料100未払金100

決算時

借方貸方
仮払消費税10仮受消費税10

(ネットゼロ)


第7章 実務論点(超重要)

■① 課税売上割合95%ルール

条件処理
課税売上95%以上リバースチャージ不要(経過措置)

■② 簡易課税

制度取扱
簡易課税リバースチャージ不要

■③ インボイス

海外事業者は
👉 リバースチャージ対象である旨表示義務あり

(消費税法62条)


第8章 実務で多いミス

ミス理由
海外だから非課税と思う改正知らない
クラウド費用未処理IT部門任せ
仕入税額控除忘れ税務知識不足

◆まとめ

本事例の結論

判定項目結論
役務電気通信利用役務
内外判定国内
課税対象
区分特定課税仕入
納税日本会社
方法リバースチャージ

◆実務アドバイス(プロ視点)

・海外SaaS契約は必ず税務確認
・IT費用は税務部門が管理
・契約書に事業用途明記
・消費税区分マスター整備

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