【実務リアル】同族会社 × 不動産取引の税務リスク
― 家賃・売買・貸付が狙われる理由 ―
同族会社と株主個人(特に社長)との不動産取引は、
所得移転・利益圧縮の温床として調査官の定番チェック項目です。
1.なぜ不動産取引が危険なのか
- 相場が分かりにくい
- 条件設定の裁量が大きい
- 私的要素が混入しやすい
結果、第三者基準からの乖離が起きやすくなります。
2.否認されやすい取引類型
① 高額家賃での賃借(会社→個人)
- 周辺相場を上回る家賃
- 比較資料なし
リスク:超過部分否認/個人側は給与・配当認定
② 低額家賃での賃借(個人→会社)
- 明らかに相場以下
- 無償提供に近い条件
リスク:寄附金認定・行為計算否認
③ 不動産の低額譲渡・高額譲渡
- 時価と乖離した売買
- 価格算定根拠なし
リスク:譲渡益の再計算・贈与/給与認定の併発
④ 無利息・期限なしの貸付(不動産絡み)
- 会社→個人の資金移転
- 契約書なし
リスク:利息相当額の益金算入・給与認定
3.税務調査で見られる資料
| 資料 | チェック内容 |
|---|---|
| 賃貸借契約書 | 条件の合理性 |
| 相場資料 | 第三者基準との比較 |
| 鑑定・査定 | 価格の客観性 |
| 議事録 | 意思決定の妥当性 |
👉 **「相場説明ができるか」**が分水嶺。
4.安全に進める実務ルール
- 相場資料を必ず保存(複数)
- 条件変更は期中回避・事前決定
- 売買は第三者査定を活用
- 契約書・議事録をセットで保管
まとめ
同族会社の不動産取引は
第三者でも成立する条件か?
を常に自問すること。
相場・資料・説明の3点が揃えば、リスクは大幅に下げられます。